パーキンソン病のピックアップ記事

①パーキンソン病とは

パーキンソン病は、慢性進行性の神経難病です。日本におけるパーキンソン病の有病率は、人口10万人当たり150人とされており 、2017の患者数が約30万人と推定されております 。発症年齢は50代~60代に多いですが、40歳以下で発症することもあります。パーキンソン病が起こる原因は、脳が身体をコントロールする神経伝達物質「ドパミン神経細胞」の減少になります。ドパミンが減少することにより、脳から運動の指令は筋肉にうまく伝われず、身体が意図どおりに動けることができなくなります。

パーキンソン病の症状には、運動症状と非運動症状があります。運動症状としては、小刻み・すり足・すくみ足・加速歩行・歩行速度低下・腰曲がり・首下がり・前傾姿勢・発語ボリューム低下などが見られ、非運動症状としては、認知・精神機能障害・嗅覚低下・起立性低血圧・発汗異常・手足の冷え・便秘・頻尿・不眠・流涎・抑うつ症状・幻覚等が挙げられます。

②パーキンソン病の治療方法とは

現時点では、パーキンソン病を根本的に治す方法こそありませんが、対症療法を中心に、症状を軽減し、進行を遅らせることになります。代表的な方法としては、
①薬物療法
②外科的手術(脳深部刺激療法)
③理学療法・作業療法(リハビリテーション)があります。

薬物療法は主に、ドパミン神経細胞を補う薬やドパミンを分解する酵素の働きを抑える薬を服用することです。②外科手術は、薬だけでは症状を改善することが難しい場合がよく検討されます。具体的には、脳に細い電線を入れ、脳を刺激することによって症状の改善を図ります。③の理学療法・作業療法は、パーキンソン病症状や様々なレベルの障害に有効であると位置づけられている治療手段です。毎日リハビリ・運動を続けることで、症状の軽減と進行の抑制が期待できます。

③パーキンソン病のリハビリとは

パーキンソン病は進行すると、運動機能の低下につながります。そのため、運動機能を改善・維持するためには、リハビリテーションを行うことが大切です。

パーキンソン病に対するリハビリの分類としては、
①一般的理学療法(歩行・バランス練習、起居動作の教育・指導、姿勢練習、身体運動など)
②運動練習(筋力増強練習、バランス運動、歩行練習、転倒予防、持久性運動など)
③トレッドミル歩行(速度や傾斜を調整したトレッドミル歩行、部分免荷でのトレッドミル歩行、ステップと歩行練習)
④外部キュー刺激(聴覚・視覚・体性感覚)
⑤ダンス(タンゴ、ワルツ、フォックスロット)
⑥武芸(太極拳、気孔)⑦LSVT®BIGが挙げられます。

一般的に、病院・介護施設で行われているリハビリですが、保険制度上の制約により、目標に対する本来必要なリハビリの量と質の確保が困難な場合もあります。当施設は山梨県甲府市にて、自費による退院後の専門リハビリサービスを提供しております。保険診療のリハビリテーションと違い、基本的にご利用者様一人一人にあった「オーダーメイドプログラム」で提供しています。また、1ヵ月・2ヵ月・3ヵ月と期間を区切って短期集中的に行うことも出来ます。ご利用者様の尊厳を第一におき、「諦めないリハビリ」をモットーにリハビリを提供しています。

また、2016年から毎月、当施設主催のパーキンソン病運動交流サロン(PDサロン)を開催しています。山梨では当時、LSVT®BIG資格取得者も少なく、退院後に専門的なリハビリを受けられる所が無かったため、誰でも利用できる・運動交流サロンとして開催しようと決めました。PDサロンをもっと知りたい方は、ご興味の方はお気軽にお問い合わせください。

④LSVT®BIGというリハビリ方法について

ここでは当施設が提供しているリハビリ方法の中から、パーキンソン病に特化したLSVT®BIGという手技について、具体的にご紹介いたします。

LSVT®(Lee Silverman Voice Treatment)は、米国のRamig博士らが開発したパーキンソン病に特化したリハビリプログラムです。言語聴覚領域に特化した「LSVT®LOUD」という発語明瞭度改善目的の訓練法と、理学療法領域に特化した「LSVT®BIG」という運動障害を改善する治療法の大きく2種があります。

LSVT®BIGは、理学療法士や作業療法士により、パーキンソン病患者の高振幅動作の促進を目指して行われています。主な特徴は、動きの速度ではなく大きさに着目したトレーニングを徹底することです.パーキンソン病の方は、小刻み歩行という症状がある方がおられるように,動きが小さくなりやすいため、LSVT®BIGで大きな動きを行うことで、正常に近い動作の改善や獲得ができます。具体的な訓練内容は、身体全身を捻ったり伸ばす動きや大きく椅子から立ち上がる練習,大きく歩く練習を複数回行うことです。効果を出すために、理学療法士や作業療法士とマンツーマンで「週4回・1回60分・4週間連続,月16回のリハビリを実施する」というような、必要とされるリハビリパッケージが明確に決められています.トレーニングの成果を高める為のポイントとして「質の高い大きな動作の獲得」を目指すことが大切です.トレーニングに慣れてくると,セラピストは徐々にトレーニングの難易度を上げていきます具体的には➀会話や計算なのど認知的負荷②運動の回数や抵抗,速度の変化などの運動的負荷③物体,空間,身体,雑音といった身体・環境的負荷を組み合わせて難易度を調整していきます。

また,自宅で毎日行う課題も明確に決められており,セラピストが確認作業を行います.RCTによる4論文において他のリハビリに比べ介入効果が大きいとしている.特に歩行スピードやバランス能力において改善が示唆されております.

⑤実際にLSVT®BIGを受けられている方のリハビリ体験記

当施設では、LSVT®BIGを修了した理学療法士が在籍しており、必要に応じてLSVT®BIGのリハビリもパーキンソン病の方に向けて提供しています。実際にリハビリを受けたご利用者様からも「毎回効果が実感できる」「姿勢も変化してきた」と嬉しいお声を頂いているので、併せてご紹介いたします。

●ご利用者様の紹介:
年齢・性別:70歳代・男性
診断名・症状:パーキンソン病。筋固縮、手指の振戦、姿勢の崩れ
発症からの期間:約6年
成果:歩行器なしの歩行・動作時の姿勢の改善
ご利用プラン:60日間改善プラン(1回120分個別リハビリ×32回)

●若彦神経リハビリセンターで受けたリハビリ体験
6年前にパーキンソン病と診断され、病院を退院した後は、デイサービスでお世話になって、そのあとは障がい者センターに行きました。私の行ったデイサービスは、複数人で一緒に行ったリハビリがありました。身体の痛みが緩和できたが、手のふるえは改善できなかったですね。趣味の園芸を再開したいので、もっと本格的なリハビリをしたかったです。デイサービスでは、複数人と一緒にリハビリしたので、療法士さんとの距離は遠いと感じました。身体の悩みや痛みには対応しきれないんですね。なので、パーキンソン病の専門リハビリを受けたいという強い思いがありました。

若彦神経リハビリセンターでは、療法士さんと1対1でリハビリするので、「こう改善してほしいな」っていう、そういうリクエストにすぐ応えてくれます。また、パーキンソン病に特化したLSVT®BIG療法もしてくれるので、痛みがあるけど、「毎回効果が実感できる」「続けたくなる」身体に効いていると実感したので、とてもありがたいです。療法士さんが一生懸命やって下さってるのが体に出てくるんです。毎回本当につらいと思ったが、身体の変化を実感できたの、辞められないですね。また、毎回のリハビリの前と後、動画を撮ってくれるので、例えば歩行だと、歩行のスビートや、手足のリズムが、リハビリの前後でどう変わったのか、自分で見比べられます。一目瞭然で良くなってると分かるのが、すごい大き価値ですね。

若彦神経リハビリセンターを利用前は家の中も外も歩行器を使っていましたが、今は家の中も、外も歩行器を使わずに歩いています。また、基礎体力がついたと実感しています。姿勢も変化してきたと感じているので、今後も継続して利用したいです。
※実際のリハビリ前後の変化をご覧頂けます。

⑥理学療法士からのメッセージ

パーキンソン病専門リハビリを受けたいという強い希望があり、全32回の施術を行いました。①姿勢の改善、②動作を速くする、③疼痛の軽減の3つを主眼に行いました。10回頃まで全身の筋肉痛を訴えておりましたが、徐々に慣れてこられました。高い努力、集中、持続、反復がポイントである事を理解されており、動作が変化していきました。自信がついてこられ、歩行器を使わずに屋内外を移動されるまで改善しました。腰痛に関しても、痛みの数値が「通常時2/5→1/5・夕方の調理時5/5→4/5」へ軽減しています。ご本人様も希望されておりますが、今後も継続したリハビリが必要と考えます。

⑦引用・参考文献

Yamawaki M,Kusumi M,Kowa H, et al. in prevalence and incidence of Parkinson’s disease in Japan during aquarter of a century.Neuroepidemiology 2009;32:263-9
厚生労働省. 平成29年(2017).「患者調査(傷病分類編)」

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